仲宗根さん、立浪部屋に入門 おばあとの夢「横綱に」 宜野湾市長に報告


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立浪親方(前列左)と共に松川正則宜野湾市長(同右)の元を訪れた仲宗根龍さん(同中央)。後ろは母親の夏樹さん=24日、市役所

 【宜野湾】中部農林高3年で宜野湾市喜友名出身の仲宗根龍(りゅう)さん(18)=渡慶次小、読谷中=が、大相撲の立浪部屋への入門を決めた。立浪親方(元小結旭豊)と共に24日、宜野湾市役所に松川正則市長を訪ねて報告した。市出身者の角界入りは初めてとみられる。仲宗根さんは「不安はなく楽しみしかない。県出身者初の横綱になりたい」と意気込んだ。

 身長181センチ、体重140キロと体格が大きい仲宗根さん。母親の夏樹さん(42)によると、生まれた時は約3800グラムあり、さらに大きくなるよう離乳食では、魚の粉末を調合したものをおかゆと一緒に食べさせたという。

 小学4年から中学1年まで柔道をやっていたが、相撲が好きな祖母の當山初江さん(72)らの助言を受け、相撲部がある中部農林高へ進学した。高校から相撲を始めたが、昨年夏の全国高校総体(インターハイ)では団体でベスト16、個人でベスト32に入った。得意技は右四つからの寄り切りだ。

2021年の県高校総体・個人戦100キロ以上級決勝で優勝した仲宗根龍さん(右)=同年5月、うるま市の中部農林高校

 一緒に住む當山さんは、仲宗根さんの稽古のため車で送り迎えをするなどして支援した。當山さんは「行くからには頑張って」とエールを送ったという。

 仲宗根さんは角界入りについて「おばあ(當山さん)と自分の夢であり、かなえたいと思った。頑張っている姿を見せたい」と力を込める。また「自分よりレベルが高い人と稽古ができる」と目を輝かせた。

 立浪親方は「体格が恵まれている。気持ちに応え強くしてあげたい」と述べた。松川市長は「市を挙げて後押しできれば」と声を掛けた。立浪親方らは24日、喜友名の仲宗根さん宅や自治会も訪れ、親戚や地域が角界入りを喜んだ。

 立浪親方によると、仲宗根さんは3月の新弟子検査に合格すれば春場所前相撲で初土俵を踏み、5月夏場所から序の口で始まる予定。 (金良孝矢)