「夫は仕事、妻は家庭」反対68% 沖縄県や国の調査上回る 南風原町民意識調査


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南風原町役場

 【南風原】南風原町が昨年夏に実施した、身の回りで感じる性差に関する町民意識調査で「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考えに、68.0%が「反対」「どちらかといえば反対」と回答した。性別役割分業意識を否定する割合が、県(59.1%、2021年)や国(19年、59.8%)の調査を大きく上回った。町は調査結果を踏まえ、第3次町男女共同参画計画を3月に策定する。

 調査は町内の19歳以上の2500人に実施し、回収率は27.0%だった。

 男女の地位の平等感を尋ねる設問では、73.4%が社会全体で「男性が優遇されている」「どちらかといえば優遇されている」と回答。家庭や職場、政治などの項目で「男性優遇」と答えた割合が高かった。職場では賃金・昇進・昇格や人事配置で「男性優遇」が目立った。

 回答者の約3割は就業していない。仕事を辞めた理由は男性で定年退職が過半数を占めたが、定年を選んだ女性は26・2%にとどまる。女性は「子どもができた」(15.9%)、「家族・育児との両立ができなかった」(9.3%)など、男性にはない退職理由を選んだ。

 一方で「結婚、出産に関わらず、ずっと仕事を持っている方がよい」という考えにも、6割が「賛成」「どちらかといえば賛成」と回答。仕事と家庭の両立のために、育児休業の取得や職場復帰しやすい環境作りの推進(57.8%)、労働時間の短縮やフレックスタイム制の導入(43.2%)、男性の家事・育児・介護への参加(31.2%)が必要とした。

 選択的夫婦別姓には51.7%が「賛成」「どちらかといえば賛成」とした。女性で容認派が多く、男性を10.3ポイント上回る55.6%だった。

 配偶者や交際相手から「人格を否定するような暴言を受けた」との質問に「1、2回あった」と「何回もあった」を合わせると、女性は24.8%に上った。

 LGBT(性的少数者)については、72.5%が「性の多様性として認める必要がある」と回答した。

 同時期に町内の小学5年、中・高の2年生の計1657人に実施した「こども調査」は、73.4%から回答を得た。LGBTについては中学生の81.5%、高校生の71.1%が「認める必要がある」と答えた。

 「学校の係や当番で男子・女子と決まっているものがある」に対しては、中学生の60.0%が「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答え、小学生・高校生より高かった。

 性別を理由に大人から指摘されることは、女子で言葉遣いや服装・身だしなみ、座り方、男子でスポーツと手伝いが多く「とても嫌な気持ちがした」「少し嫌な気持ちがした」のは、高校生女子で55.9%と顕著だった。

 町民意識調査で、子どもに期待することを問う設問(複数回答可)では、62.0%が女子に「愛嬌(あいきょう)があり、誰にでも好かれる」(男子は40.1%)、57.2%が男子に「たくましく頼りがいがある」(女子は18.9%)を望むなど、違いが見られた。
 (比嘉璃子)