日本ハンドボールリーグ(JHL)女子のザ・テラスホテルズは29日、岐阜県のOKBぎふ清流アリーナで暫定8位の飛騨高山ブラックブルズ岐阜と第11戦を行い、24―19で競り勝ち、今季初参入で初勝利を飾った。通算成績は1勝10敗で順位は10位のまま。テラスは前半から堅い守りで相手のパスをつぶし、ターンオーバーから速攻で得点するなど、いいリズムをつくった。多彩な攻撃を仕掛け14―8と大きくリードし折り返す。後半立ち上がりは反撃を受けて同点に追いつかれたが、次第に落ち着きを取り戻し、最後は引き離して勝利した。次戦は2月5日午後1時半から三重県のAGF鈴鹿体育館で三重バイオレットアイリスと戦う。
飛騨高山に24―19
GKの好セーブに走り負けない速攻。タイミングを見計らったサイド攻撃―。ザ・テラスホテルズが攻守で躍動し、主導権を握り続け初勝利を引き寄せた。待望の大きな1勝。課題だった得点力は、今季最多の24ゴールまで伸ばし、東長濱秀作監督は「殻を破った」と選手たちの奮闘をたたえた。
後半戦が始まるまでの約2カ月、さらなる守備力強化に加え、スピード力の強化に取り組んできた。得点力を伸ばすため前半戦で多用した7人攻撃を控え、真正面から勝負を仕掛けた。
飛騨高山に先制点こそ許したが、中山朋華と塩田真奈美が強度の高い守りで封じ、ポスト攻撃も何度も阻んだ。抜群の阻止力を誇る田口舞の好セーブもあり、速攻で連続得点するなど流れをつかむ。全員でしっかりと押し上げ、慌てる相手の裏をかいたサイド展開もはまった。右サイドの江藤美佳は決定率100%の5得点と光った。
首位の北国銀行に大敗した前戦がハードだった分、この日は伸び伸びとプレー。後半には相手に行きかけた流れを食い止めて、地力で立て直すこともできた。
創部に合わせトライアウトで入団し、田口から主将を引き継いだ中山は「今月の日本選手権も大学生に負け、公式戦で一度も勝てていなかった。日本リーガーとして本当に駄目な戦い方をしてしまった。このままではいけないと一人一人が強くなった結果だと思う」とひときわ勝利を喜んだ。
全員がそれぞれ役割を果たし成し遂げた1勝。次の目標であるリーグ5勝に向けて貪欲に最後まで走り抜く。
(謝花史哲)