休校中の給食を支援、コロナ禍の課題解決で広がる輪 地域再生大賞優秀賞「沖縄こども未来ランチサポートコンソーシアム」


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 地方新聞46紙と共同通信が運営する「第12回地域再生大賞―未来へつなぐ、みんなで」の各賞が決まった。県内からは「おきなわこども未来ランチサポートコンソーシアム」と「1万人井戸端会議」が優秀賞となった。長引く新型コロナウイルス禍の中、地域を持続・発展させるたくましく、柔軟な取り組みがそろう。そして誰ひとり取り残さず人々を守り、未来へ育てる思いも。世代を超えて担い手がつながり、地域の誇りを引き継ぐ動きは、着実に全国に広がっている。

浦添市内の子ども食堂「こども食堂レッツクッキング」の比嘉菜摘さん(中央)に食料品を手渡すおとなワンサードの富田杏理代表(右)と日本郵便沖縄支社の竹之内啓次経営管理本部経営管理部課長=24日、那覇市東町

 「おきなわこども未来ランチサポートコンソーシアム」は、おとなワンサードと日本郵便沖縄支社、琉球新報社の3者で共同運営している。寄付金で購入した食料品や寄付された食料などを同支社の郵便配送網を活用し、ゆうパックで子ども食堂に配送するほか、同支社で直接配布も行う。

 ランチサポートはおとなワンサードの富田杏理代表の発案。2020年2月に政府が新型コロナウイルス感染拡大を受けて、全国の学校に臨時休校を要請した。子どもの支援をする人たちが会員制交流サイト(SNS)で「1日の食事が給食しかない子にとって、給食がないと困るのではないか」との懸念を発信した。それがきっかけでランチサポートを思いついた。2021年度の4~12月の協賛企業・団体数は54で、97団体が利用した。受け入れ食品数は約60万7千点に上る。

 今後は食料支援だけでなく、子どもたちが経済的な理由などで体験したことがない遊びをする機会を提供したいという。

 富田さんは「例えば映画館で映画を見たことがない子がいる。こういった遊びは子どもたちにとってさまざまなことを学ぶ機会になる」と語った。