名護市長選、肌で感じた熱気と願い 長嶺晃太朗(北部支社報道部)


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written by 長嶺晃太朗(北部支社報道部)

 「HeyHeyHey、ようへい~」「とぐち、とぐち、とぐち」。候補者名を連呼する街宣カーが市内を駆け回った。候補者と支援者らは朝早くから街頭に立ち、通勤中のドライバーらに手を振る。こうした光景が1月23日の名護市長選の投票日までの間、毎日のように見られた。

 普天間飛行場返還に伴う辺野古移設問題を抱える名護市。市長選は全国的に大きな注目を集める。この1カ月間、取材班として候補者の集会や街頭演説、陣営への取材をした。入社2年目で不安も多かったが、なんとか1カ月を乗り切った。今でも運転中や入浴中に思わず候補者の名前を口ずさむ。ある候補者の決めゼリフは暗記するなどしてしまった。選挙が終わった今では少し物寂しい気分にもなっている。

 「政治に関心のない人が多い」などと言われて久しいが、一人一人の応援や思いがリーダーを選んでいると実感する場面にも多く出くわした。候補者の演説先ではクラクションを鳴らして応援の意思を示すドライバーや、アパートのベランダに出て手を振る市民の姿があった。熱気や盛り上がりのような雰囲気を肌で感じた。

 名護市の問題は辺野古移設、中心地の空洞化、子どもの貧困など多岐にわたる。市民はこの問題の解決を求め、1人しか選ばれない市長に1票投じる。当選者が市民の思いと向き合い、課題解決に向けどう進んでいくのか取材を続けていきたい。

(北部支社報道部)


ゆんたくあっちゃー 県内各地を駆け回る地方記者。取材を通して日々感じることや裏話などを紹介する。