首里城正殿の顔「唐破風妻飾」下絵など展示 「平成の首里城復元」で企画展


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彫刻家の故・今英男さんが保管していた首里城正殿の復元事業の資料について解説する学芸員の宮城修さん=1日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館

 1992年の首里城正殿の復元に携わった彫刻家・今英男(いまひでお)さん(1937~2014年)=石川県出身=の自宅で見つかった復元事業の資料を展示する特集展「平成の首里城復元―彫刻家・今英男」が那覇市おもろまちの県立博物館・美術館で開かれている。1月19日から始まり、3月6日まで。正殿の顔である「唐破風妻飾(からはふつまかざり)」の下絵など37点の資料を展示している。

 向拝柱(こうはいばしら)の金龍や正殿2階の御差床(うさすか)の木彫刻などを制作する際に用いた図面や試作品などもある。資料には手書きで「となりとの関係に注意」「不自然な感じがする」などと注意点を書き込んだ部分もある。

 展示を担当した学芸員の宮城修さんは「限られた時間の中で、ものすごく細かい点まで気を配って作業をしていた。今さんの彫刻家としての思い、復元への熱意を感じていただけたらと思う」と来場を呼び掛けた。

 展示に関連した特別講座「彫刻家 今英男―沖縄と石川の工芸交流史を辿(たど)って」が3月6日午前9時半から11時半まで同館の博物館講座室で開かれる。講座は事前申し込み制で定員60人。

 講座の申し込み・問い合わせは(電話)098(941)8200。
 (古堅一樹、写真も)