会員は230人に「生理の貧困を考える会」 立ち上げた女性の思い「誰もが安心して過ごせるように」


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 経済的な事情で生理用品を手にできない状態などを指す「生理の貧困」の解消に向けて行動を起こそうと、県内でコーチ&ライフステージアドバイザーとして活動する與儀育子さん(44)=八重瀬町=が2021年10月、「生理の貧困を考える会おきなわ」を立ち上げた。現在会員数は約230人に上り、徐々に広がりを見せている。

「生理の貧困を考える会おきなわ」を立ち上げた與儀育子さん=2021年11月、那覇市内

 與儀さんは「『生理の貧困』に注目が集まっている今だからこそ、これから先、誰もが安心して生理期間を過ごせるようになる仕組みづくりを進めていきたい。性別や年齢を問わず、生理について知る機会もつくりたい」と活動の展望を語る。

 「生理の貧困」は新型コロナウイルスの影響で経済状況が悪化し、生理用品を入手しにくくなった女性たちが、会員制交流サイト(SNS)などで声を上げたことで、世界的に注目が集まった。

 與儀さん自身も「生理の貧困」について知ったのは報道がきっかけだ。生きていく上で必要不可欠な生理用品を買えない人がいることにショックを受け、行動を起こすことを決意した。

 現在、会の活動の柱は主に二つ。一つ目は「学校のトイレに生理用品を設置しようプロジェクト」だ。経済的な理由や家庭の事情などで生理用品を手にすることができない子どもたちに、身近な場所で安心して生理用品を受け取ってもらえるよう、学校の個室トイレに生理用品を置いてもらうことが目的だ。

 これまで八重瀬町や豊見城市、浦添市、沖縄市、糸満市、南城市の教育委員会や議員などに働き掛けたり、各学校に出向いて校長や養護教諭などと面談したりして設置を要望している。いくつかの学校では個室トイレに生理用品を置く取り組みが始まっている。

 将来的には生理用品がトイレットペーパーと同じように設置されることが目標だ。與儀さんは「生理用品もトイレットペーパーと同じ衛生用品で、消耗品。学校の個室トイレに生理用品が当たり前にある社会になってほしい」と語る。

 活動の柱の二つ目は「生理の貧困を考えるお話し会」。週に一度オンラインや少数グループで開催し、さまざまな要因からなる「生理の貧困」について学んだり、活動を通して見えてきた課題などについて会員と共有したりしている。お話し会への参加費は500円で、これらは「生理の貧困」に関連した支援を必要としている人への寄付に充てる。次回のお話し会は5日午前10時半~11時半を予定している。

 また1月からはイベントで生理用品などの寄付を呼び掛け、支援を必要としている人や団体に届ける活動も始めた。

 與儀さんは「これから『生理の貧困』は経済的な貧困だけが問題ではないことや、生理についての周知活動を広げて、たくさんの女性と子どもたちを幸せにしたい」と話した。

 同会への問い合わせはlifestagesup@gmail.com。

 (嶋岡すみれ)