普天間離着陸、17年以来最多の1万8017回 外来機が急増「負担軽減」遠く


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米軍普天間飛行場へ着陸するF35B最新鋭ステルス戦闘機。後方は宜野湾市役所=2021年7月31日、市内

 【宜野湾】沖縄防衛局の目視調査によると、宜野湾市の米軍普天間飛行場で、2021年に航空機が離着陸(タッチアンドゴー、通過、旋回を含む)した回数は、前年比3・0%増の1万8017回に上り、17年4月の調査開始以降、通年では過去最多となった。外来機の飛来が急激に増えたことが主な要因で、政府が掲げる「普天間の負担軽減」とは、かけ離れた実態が改めて浮き彫りとなった。

 防衛局の調査によると、21年に外来機が普天間へ飛来した回数は、前年比で20・5%増の3194回に上った。外来機の飛来は年々増加傾向にあり、最も飛来回数が少なかった18年と比べると2・7倍となった。常駐機の離着陸回数は20年比で0・2%減の1万4823回だった。

 外来機の飛来のうち、F35やF15など戦闘機の飛来は、147回だった。戦闘機の離着陸などによって、飛行場周辺では電車通行時のガード下の音とされる100デシベル以上の騒音が観測。宜野湾市は「市民生活への影響が大きい」として、外来機の飛来を禁止するよう国に求めてきたが、改善されていない。

 嘉手納基地などから飛来し、タッチ・アンド・ゴー訓練を繰り返す海軍のP8対潜哨戒機の飛来は738回で、過去最多だった。同飛行場の負担軽減を目的として、山口県の岩国基地に移駐したKC130空中給油機の飛来は、最多だった20年に続き、過去2番目に多く、149回確認された。航空機騒音規制措置(騒音防止協定)が適用される午後10時以降の夜間飛行は、464回だった。

(金良孝矢)