宮古島市民「やっと」「時期尚早」 まん延防止解除に賛否交錯


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 【宮古島】宮古圏域(宮古島市・多良間村)へのまん延防止等重点措置が7日から前倒しで解除されることが決まった。約1カ月間、自粛生活を続けていた市民からは「良かった」との歓迎の声が上がる。一方、市内の新規感染がゼロになっていない状況に「時期尚早ではないか」と疑問視する声も聞かれた。

 県立学校は制限付きではあるが、部活動も解禁される。4日には市教育委員会にも通知される見込みで、小中学校にも同様の対応が求められる。中学生の息子がいる女性(42)は「子どもたちは練習したくてもずっと我慢している。やっと好きなことに打ち込める。良かった」と喜ぶ。

 宮古島市は今年に入って、連日、感染者数が過去最多を更新し続けた。1月上旬には人口10万人当たりの感染者数が千人に迫るなど全国でも最悪の感染状況に陥った。観光客も激減し、目抜き通りから人の姿が消えた。

 県は宮古の解除理由について複数の基準で解除目安を下回ったことを挙げた。だが、3日も市内で14人の感染が確認されている。

 宮古島市社交飲食業組合の奥平玄信組合長は「解除はまだ時期尚早だ」と率直な気持ちを明かす。経営する飲食店は休業を続けている。「感染ゼロになっていないし、県外は感染爆発している。不安が残る状況で再開しても客足は戻らない。解除するなら消費喚起もセットで取り組んでほしい」と願った。
 (佐野真慈)