【識者談話】「格安」米軍ゴルフ場 外務省「あえて放置」姿勢は問題(前泊博盛・沖国大教授)


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 タイヨーゴルフクラブ(GC)の日本人による利用問題は以前から何度か指摘されてきたが、なぜ外務省は過去の見解を変えて開き直るように追認したのか。日本の税金で整備した米軍の施設が、日本の税金を免れ、さらに収益活動をし、民業を圧迫することはあってはならない。むしろタイヨーGCを廃止、返還させ、米軍には民間のゴルフクラブを使ってもらう方がいいのではないか。

 日本人が利用するのであれば、本来は課されるべきゴルフ場利用税や消費税など、公租公課の問題もある。民間ゴルフ場より格安でプレーでき、民業を圧迫している。外務省が利用者数すらも把握していないのは問題だ。チェック機能が働いていない。

 都合の悪いことはあえて把握しないという体質が問題だ。日米地位協定に関しては、日本側が実態を把握すると改善に動かないといけないので、あえて放置する「未必の故意」が目立つ。ゴルフ場の運営は軍事行動や機密は関係ない。しっかりと日本側に実態を報告させるべきだ。

 日本側が「友好親善」とし、日本人も米軍の保養施設を使えるとするのであれば、どんな事例が該当するかを自らチェックするべきだ。日本の公的機関のチェックを受けた場合しか使えない仕組みが必要だ。

 (安全保障論)