信頼構築、解決への鍵 ひきこもり支援の課題議論


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 ひきこもり状態にある人への支援の在り方を考える「ひきこもり支援者サミットin福岡」(厚生労働省主催)が6日、オンラインで開催された=写真。パネルディスカッションでは、九州・沖縄地域の元当事者や支援団体、行政の担当者らが体験や取り組みを報告し、課題解決へ当事者との信頼関係を築き上げる必要性を確認した。

 オンラインの自助グループ「居場所~特性を生かす道~」代表補佐で県内在住の宜壽次大樹さん(44)は、いじめなどで生きづらさを感じ、23歳から17年間ひきこもりとなった。

 父親や友人の励ましが回復の力になったとし、「周りの人々の支援が不可欠。一緒に泣いたり笑ったり、心に寄り添ってくれた友人に助けてもらった」と振り返った。

 支援の在り方については、当事者に対して同じ目線で対応する必要性を強調し、当事者や元当事者で支え合う「ピアサポート」の活用を提案する。「相手を批判せずに受け入れる。信頼が得られてから少しずつ是正していく。信頼関係がないと何を言っても響かない」と主張し、信頼関係構築が回復への鍵を握るとの認識を示した。

 パネルディスカッションでは、福岡県で当事者や家族を支援するNPO法人「JACFA」の浅海道子理事長、大分県私学振興・青少年課の射場尚隆主幹も参加し、それぞれの取り組みを報告した。

 催しでは、支援団体などによるワークショップも開かれ、現場で抱える思いや課題について意見を交わし合った。 (小波津智也)