【那覇】那覇市の松島自治会(西平博人会長)は昨年12月から、松島1丁目のまかんじゃーら公園に設置している松島自治会掲示板を活用し、地域住民との新たなコミュニケーションづくりを始めた。地域で実現したいことや困りごとなど、誰でも自由に書き込めるホワイトボードを設置し、誰でも見ることができる「みんなの掲示板」コーナーとして活用している。タイトルは「みんなで見られるSNS!」。新しいコミュニケーションツールの一つとして地域に新しい風を吹かせている。
「みんなで見られるSNS!」は、SNSのタイムラインをイメージし、地域住民の書き込みに対して西平会長が返信するという仕組み。ホワイトボードには「ゆうえんちがほしい」「みんなの願いが叶(かな)ってほしい」「コロナに負けない」などの書き込みがある。書き込みに対して、西平会長が「ゆうえんちの様な楽しい地域にしましょう」「コロナがおさまると良いね!みんなの願いが叶いますように!」など、それぞれに返信している。
ある高校生は「さくらねこをもっと増やしてほしい!」と願いを書いた。不妊去勢手術済みの証しとして耳先が桜の花びらの形にカットされた猫を、犬の散歩中に見掛けるという。「野良猫が殺処分されるより、さくらねこが増えた方がいい」と話した。西平会長はホワイトボードに「役所に相談してみます」と返信した。
中・高校生の子を持つ長谷場咲可さんは「中高生も参加できて地域が盛り上がるイベントなどがあるとうれしいです」と書き込んだ。
書き込みを見える化することについて、西平会長は「地域の未来をデザインすることにつなげられる。地域住民の声をきっかけに事業化したり、企業とのつながりも持てたりする。地域がつくられていく過程を、若い人たちが知れば自分たちで地域を変えられるというところにつながり、自分たちで未来をつくることができると思えば、生活が楽しくなる。実験的に始めたが継続していきたい」と話し、手応えを感じた様子だった。
(中川廣江通信員)