講師は沖縄芸人!オンライン修学旅行 生徒らサーターアンダギー作りも


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ユタのキャラクター「大兼のぞみ」を演じ、中継で生徒らにサーターアンダギーの作り方を教える知念だしんいちろうさん(左)=7日、那覇市安里のFECオフィス

 キャリア教育支援を行うジョイオブクリエーション(那覇市、座覇真理子代表)とタレント育成のFECオフィス(那覇市、山城智二代表)が7、8の両日、東京都立葛飾総合高2年の227人を対象とした「オンライン修学旅行」を実施している。企画した座覇代表は「コロナ禍でも生徒たちに学ぶ機会を提供したい」と語り、修学旅行の新たな形を提案している。

 葛飾総合高の生徒らは今月、修学旅行で沖縄を訪れる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で見送っていた。プログラムではオンライン会議システム「ZOOM(ズーム)」を活用し、FECオフィスをはじめとした県内各地と都内の同校をつなぎ、沖縄への学びを深める。

 初日の7日は、沖縄の食文化や自然環境に触れる体験学習を実施した。サーターアンダギー作りでは芸人の知念だしんいちろうさんが演じるユタのキャラクター「大兼のぞみ」が講師を務め、ウチナーグチを交えながら楽しく調理方法を伝授した。

 生徒らは中継を見ながら実際にサーターアンダギーづくりに挑戦。調理中、画面越しにボウルの中を見せ「油を足した方がいいですか」などと指示を仰ぐ場面もあった。

 最終日の8日は名護市の国際海洋環境情報センター(GODAC)からオンライン実験講座を開催。沖縄のサンゴ礁や多様な海洋生物について学ぶほか、芸人のまーちゃんによる「お笑い米軍基地」を通して、基地問題と平和について考える。

 また、キャリア教育の一環として「専攻別 職業人講話」も実施する。沖縄トヨタ自動車や沖縄科学技術大学院大学(OIST)など県内12事業所の協力を得て、各分野の従事者から沖縄の産業や職業について学ぶ。

 座覇代表は、沖縄での修学旅行について、自然体験や平和学習だけでなく、キャリア教育の要素を踏まえた「教育旅行」の需要も高まっていると指摘。「時間や予算の都合で断念していた内容でも、オンラインだからこできる体験もある」とし、今後も多様な教育プログラムを提案していく展望を語った。
 (当銘千絵、写真も)