沖縄県議会の新沖縄振興・公共交通ネットワーク特別委員会(中川京貴委員長)は10日、2022年度からの新たな沖縄振興計画(次期振計)の素案を審議した。首里城の復興に関連し、那覇市が要請した「御茶屋御殿(うちゃやうどぅん)」の復元について、県は次期振計に明記しない方針を明らかにした。
仲本隆都市公園課長は「現状、整備主体や手法が確定していないため、新たな振興計画案に明記する熟度に達していないと判断した」と説明した。渡久地修氏(共産)、上原章氏(公明)への答弁。
御茶屋御殿は琉球王国時代の1677年に建設され、冊封使らの歓待に使用された建造物。県が作成した首里城復興基本方針には整備に向けた検討が明記されているほか、現在策定を進める首里城周辺のまちづくりに関する「首里杜(すいむい)地区整備基本計画」にも整備検討が明記される予定だ。
次期振計に記述がないことについて、県議から県の施策の整合性を問う声が上がった。仲本課長は「想定される敷地内の施設の移転など多くの課題があることから、整備主体を含めて検討を行っていく必要がある。那覇市、県、国で構成するワーキンググループにおける検討が具体化するよう、事業化可能性調査などの実施に向けて取り組んでいく」と述べた。
(梅田正覚)