「氷山の一角」ヤングケアラー1088人 教員ら「見守り継続」「外部と連携」


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 沖縄県が初めて実施したヤングケアラー調査で、県内には少なくとも1088人のヤングケアラーと思われる子どもがいることが分かった。このうち半分近くは家族の世話のために生活に影響が出るなど厳しい状況が浮かび上がる。ただ、調査は全体像を把握し切れていないとみられ、実態はさらに深刻な可能性もある。

 県が小学5・6年と中高全学年の学級担任を対象にした調査の結果、ヤングケアラーと思われる子ども約1088人のうち、少なくとも523人の子どもが学校を休みがちだったり、精神的な不安定さがあったりするなど、何らかの形で学校生活に影響が出ていることが分かった。

 そうした子への対応を複数回答で聞いたところ、「子ども本人の観察(見守り)の継続」が24・4%と最も多かった。次いで「職員間での情報共有」(18・7%)、「悩み相談に応じる旨の子ども本人への声かけ」(18・1%)だった。

 また対応の一つとして上がった「外部の支援機関との連携(予定を含む)」との回答で、連携先として最も多かったのは「市町村の児童福祉部門や家庭児童相談室」(18・8%)で、「市町村の教育委員会」(11・8%)、「市町村要保護児童対策地域協議会(要対協)」(11・1%)が続いた。県は支援のためには、スクールソーシャルワーカーや学級担任などが情報共有し「市町村の児童福祉部局や児童相談所などと日常的に連携を図る必要性がある」との認識を示した。

 またヤングケアラーへの対応で中心的な役割が求められる要対協の機能や役割についても「職員の認識を高める必要がある」と指摘した。

 (嶋岡すみれ)