石垣市長選 立候補予定者インタビュー


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 【石垣】20日告示、27日投開票の石垣市長選は、13日で告示まで1週間となる。これまでに、現職で4期目を目指す中山義隆氏(54)=自民、公明推薦=と、市議で新人の砥板(といた)芳行氏(52)が立候補を予定しており、一騎打ちとなることが濃厚だ。両氏に選挙の争点や主な政策などをインタビューした。 (西銘研志郎)

中山義隆氏 脱コロナ、景気回復へ

 ―立候補を目指す理由と争点は。

 「3期目の後半は新型コロナウイルスの影響で思うような政策ができなかったが、市民や各団体から『コロナを克服して市を立て直してほしい』と要請が相次いだ。この状況で身を引くのではなく、落ち込んだ分を元に戻し、発展させたいと考えた。争点は脱コロナを誰が早く実現できるかだ。景気回復に対する明確なビジョンの有無が争点となる」

 ―重点的に取り組みたいことは。

 「まずは景気回復が最優先だ。その後、子育て支援に取り組む。学習環境の整備と進学祝い支援金制度を創設するなどして、子育てしやすい環境整備をさらに進めたい」

 ―経済振興について。

 「観光復活を目指した上で2次産業強化を図る。具体的には農村地域では紅イモの加工場などを持ってくる。またこれまで市街地にあったコンクリート関係の工場などを郊外に集約させたい。騒音を含めた環境問題を解消しながら、跡地を住宅地として確保できる」

 ―相手陣営は「独善的」だと批判している。

 「市政運営には必ず予算が伴い、市議会で承認してもらっている。市長と市議は二元代表制であり、民主主義以外の何物でもない。『独善的』はありえない」

 ―市内への陸上自衛隊配備計画について。

 「計画は容認で変わらないが、騒音や環境への被害があれば適切に対応したい。今後、機能強化という話が出たときには、内容を確認し、理解できるかどうか、市民にも説明できるかが大切になる。それを聞いた上で、判断したい」

砥板芳行氏 陸自、住民投票を提案

 ―市議会与党だったが立候補を目指す理由は。

 「現市政を与党の立場で支えてきたが、3期目になり独善的な市政運営が目についた。議会も長年、与党の安定多数で、二元代表制が機能していないと感じ、市政を変えなければならないと考えていた。独善的な市政運営を止め、開かれた石垣市をつくりたい」

 ―争点は何か。

 「新石垣空港建設時も環境保全が争点となった。現職はゴルフ場付きリゾートに前向きで、環境保全に消極的だ。(市が指定を目指す国家戦略特区の)スーパーシティー構想やゴルフ場付きリゾートは環境への負荷が大きいと懸念している。環境影響を調査する組織を立ち上げる」

 ―主な公約は。

 「力強い地域経済を確立し、市民所得向上を図りたい。また現職が当初訴えた学校給食費の完全無償化を実現する。(過疎が進む)中北西部地区の個性を生かした均衡発展も目指す」

 ―経済振興について。

 「観光産業の質を高めたい。そのために地産地消を進め、地元の農水産物を地域で消費させていく。農水産物のブランド化により、1次産業従事者の所得向上を目指す。またITなど技術の活用にも挑戦したい。石垣は伝統的な織物が盛んで、数少ない2次産業だ。それらも伸ばす」

 ―陸上自衛隊配備計画については。

 「市長提案で住民投票を実施する。国民の理解以上の国防はつくれない。また、先島へのさらなる国防体制の強化なども言われているが、これ以上の強化は市民感情が耐えられない。そうした動きには、厳しい対応を取らざるを得ない」