沖縄観光“次の手”議論 経済同友会 コロナ下の戦略続々


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今後の沖縄観光の方向性について話し合う(左から)リクルートライフスタイル沖縄の有木真理社長、南都の大城宗直社長、ノボテル沖縄那覇の坂本公敏総支配人、JTBの田川博己相談役ら=14日、那覇市のノボテル沖縄那覇

 沖縄経済同友会は14日、第4回観光委員会を那覇市のノボテル沖縄那覇で開いた。JTBの田川博己相談役、ノボテル沖縄那覇の坂本公敏総支配人、南都の大城宗直社長、リクルートライフスタイル沖縄の有木真理社長が登壇し、「沖縄観光の質と量~沖縄の次の打ち手について~」をテーマに議論した。

 田川相談役は、観光地域づくりにはブランディングが重要と指摘した。ハワイに伝統文化を体験できるポリネシアカルチャーセンターがあることを例に、日本遺産に登録された琉球料理や泡盛、芸能を伝える文化センターの設置を提案した。

 坂本総支配人は、修学旅行の重要性を強調した。沖縄への来訪者の年齢層をみると40~60代が約6割を占めていて、若年層の獲得が課題とした。特に修学旅行生は沖縄観光の将来のリピーターにつながる可能性が大きいという。新型コロナウイルスの影響を受け、2年連続で修学旅行が激減していることから「(修学旅行の)補助金を手厚くするなど対策が必要。コロナ後に約40万人が戻ってくると思ったら大間違いで、沖縄観光の分かれ目になっている」と話した。

 大城社長は、美ら島観光施設協会の入場客数はコロナ前と比べて3割程度となっていて、会員の約8割が平日休業していると説明した。

 有木社長はコロナ禍の旅行トレンドを分析した。予約から旅行日までの「リードタイム」が縮小傾向にあり、沖縄はコロナ前の約90日から約30日にまで縮まっているという。50、60代でもネットを通じた旅行予約が増えている。人流や消費、顧客などに関するデータを中小企業の事業に活用する必要があるとし、「例えば地元のサーターアンダギー屋さんが、データを使った需要予測で常に揚げたての商品を提供するなどの活用が必要だ」と話した。 

(中村優希、写真も)