「負け癖」打開!コラソン激戦制す 湧永製薬に31-29 ハンド男子


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湧永製薬に勝利し歓喜の声を上げる琉球コラソンのメンバーら=13日、兵庫県の明石中央体育会館(琉球コラソン提供)

 日本ハンドボールリーグ(JHL)第21週第2日の13日、兵庫県の明石中央体育会館で男子の琉球コラソンは暫定7位の湧永製薬と今季第17戦を行い、31―29で激戦を制して勝利を挙げた。連敗を5で止め、6試合ぶりの白星。通算成績は3勝13敗1分けで一つ順位を上げ9位となった。女子のザ・テラスホテルズは今季第14戦で暫定9位の大阪ラヴィッツと対戦し、25―27で惜しくも敗れた。3連敗で通算成績は1勝13敗。順位は10位のまま。コラソンは17―17で折り返した後半、中盤から流れをつかみ、着実に得点を重ねて粘る湧永の追い上げを振り切り勝ちきった。テラスも前半同点に持ち込み、後半は先行し続けたが、最終盤の勝負どころで速攻など連続失点を許し競り負けた。次戦はコラソンが19日午後1時半から長崎県の佐世保市東部スポーツ広場体育館でトヨタ紡織九州、テラスが同日午後1時から沖縄県立武道館アリーナでHC名古屋と対戦する。

 終了ブザーとともに歓喜の雄たけびがコートにこだました。琉球コラソンは、暫定7位の湧永製薬に最後まで僅差のリードを守り抜き白星を手にした。湧永戦は実に5シーズンぶりの勝利。“負け癖”に長く苦しんできた難局をチーム一丸で打開した。黄慶泳監督は「試行錯誤しながらやってきたが、できる部分を伸ばし自分たちの新たな良さが分かってきた結果だ」と選手たちの成長をたたえ、声を弾ませた。

 前半からボールが行ったり来たりするテンポの速い展開にも終始落ち着いていた。これまでは後半の流れが変わる場面での修正力が弱かったが、この日はミスしても守りからすぐに立て直す。同点から2点リードし勝負どころとなる残り15分。ポストを下げてバック4人の攻勢でリズムを変えた。

 「横の揺さぶりではこっちに分がある」(東江太輝主将)と、クロスプレーを入れながら横から縦への連係で守備を崩した。終盤では東江が隙を突いた横手投げのブラインドシュートを立て続けに決め勝利を引き寄せる3点リードを保持。最後も得点を奪い逃げ切った。前半は攻撃参加が控えめだった石川出が、後半出だしから得意のミドルシュートを効果的に狙ったことも大きな流れを作った。

 前半からゲームコントロールに速攻、スカイプレーなどで7得点と大車輪の活躍を見せ、古巣相手に星を取り返した東江は「単純に喜びたい。全員がミスしてもどうにかしようと強い気持ちを60分続けられたことが良かった。残り3戦も勝てるとモチベーションを上げていきたい」と連勝を誓った。
 (謝花史哲)


琉球コラソン(7)
 31―29(17―17,14―12 )
湧永製薬(13)

 【評】前半から互いに持ち味を発揮し一歩も引かない。攻守が目まぐるしく入れ替わる速い展開の中で琉球コラソンは、東江太輝主将や松信亮平を中心に最後まで落ち着いて試合をコントロールし、リードを守り抜いた。