復帰直前の沖縄〈50年前きょうの1面〉2月16日「石油や天然ガス埋蔵/琉球海盆に広く分布/尖閣諸島」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。  

 

 1972年2月16日の琉球新報1面トップは、「石油や天然ガス埋蔵/琉球海盆に広く分布/東海大調査団が報告」との見出しで、久米島と尖閣諸島に広がる沖縄舟状海盆(通称・琉球海盆)の海底調査の結果として化石燃料の埋蔵を紹介している。関連して、前日の15日に台湾(中華民国)の「中央日報」の報道として、台湾が尖閣諸島が台湾の行政区に属すると決定したとの記事が出たばかりで、これに関連して日本政府から台湾側への非難する意向を伝える関連記事も掲載している。

 連日、ストも起きて問題になっている、復帰に伴うドル―円切り替えの換算レートに起因する給与問題に関連して、この日も「金融特別措置に努力/山中長官/要請に添うよう急ぐ」との見出しで、沖縄側の宮里松正副主席らの要請に対する山中貞則総務長官(沖縄担当)の対応を伝えている。これに関連して、そばの記事では「通貨不安/政府に働き掛けへ/衆院内閣府あす具体策協議」と、レート換算による通貨価値の変化への対応について国政の動きも掲載している。

 さらにそのそばには「通貨不安/政府に働き掛けへ/衆院内閣委員会、あす具体策協議」との見出しで、衆院による沖縄調査の結果を踏まえた日本政府の協議の働きを報じている。

 

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 琉球新報デジタルは沖縄の日本復帰から50年となる2022年1月から、1972年5月15日の日本復帰に向かう沖縄の様子を日々伝える当時の琉球新報紙面を、琉球新報アーカイブから転載して紹介していきます。