資金調達→商品開発→販売→社協へ4万7362円寄付 中学生の模擬会社「にしらぼ」の挑戦


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
西原町社会福祉協議会の大城幸哉会長(右から2人目)に寄付金を手渡す「にしらぼ」の4人=10日、西原町与那城

 【西原】西原町立西原中学校の2年生が町を元気にするために立ち上げた模擬会社「にしらぼ」が、商品の売買などで得た収益4万7362円を町社会福祉協議会に寄付した。

 10日に社協で行われた贈呈式には、にしらぼ社長の宮良風花(ゆうか)さん、副社長の天久馨哉(けいや)さん、役員の翁長華音(かのん)さん、久貝りりさんの4人が参加。宮良社長は「町内の困っている人たちのために使ってほしい」と語った。

 「にしらぼ」は新型コロナウイルス感染拡大により中止となった職場体験に代わる企画として立ち上げた。会社設立に必要な資金は生徒一人一人が企業理念などを保護者にプレゼンテーションし、賛同を得た保護者から1人当たり最大500円出資してもらい、合計6万5770円の資金調達に成功した。にしらぼの企業理念は(1)コロナで〇〇な人に喜んでもらえる取り組み(2)自分もみんなも笑顔にする取り組み(3)SDGSを意識した取り組み―の3点。

 起業に向けて外部講師によるセミナーやマナー講座などを開催。企画書の作成から資金調達、商品製作、販売、決算報告書の作成、株主総会などを1年かけて展開した。

 12月18日に校内で行われた「リアル販売会」には保護者ら約160人が参加。商品の中で最大の売り上げを記録したのは1枚300円で販売した「靴洗い券」で、1万200円を売り上げた。

 また校内に植えられている花を活用したハンドソープや貝殻を使ったアクセサリーなども販売された。当日の売上金は8万2030円で、保護者から集めた出資金は全額返金した。

 寄付金を受け取った町社協の大城幸哉会長は「会社設立を通して皆さんは素晴らしい体験をしたと思う。大人でも簡単にできないことを皆さんはやり遂げた。今回いただいた寄付金は町内で困っている人たちへの食料支援などに活用したい」と語った。
 (吉田健一、写真も)