復帰直前の沖縄〈50年前きょうの1面〉2月17日「沖縄同盟 第2波ストへ」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。  

 

 1972年2月17日の琉球新報1面トップは、「沖縄同盟 第2波ストへ/金融関係など5日間/経営者側 政府の具体策待ち」との見出しで、連日続くドル―円通貨切り替えに伴う賃金1ドル360円換算問題で沖縄の労働組合が再びストを予定していることを報じた。

 これに関連して、隣りの記事で「公共料金 三六〇円で読み替え/政府が金融救済措置」と賃金換算問題での本土政府の方針を伝えている。さらに琉球政府の動向として「行政府の説得不調」と労組の沖縄地方同盟とのスト回避の交渉が不調に終わったことを伝える記事も掲載している。本土政府方針に関しては「民間労働者の賃金差拡大も」との見出しで、記者解説で民間への影響に懸念が残る現状を指摘している。

 このほか復帰に伴う自衛隊の沖縄配備に関連して「中村幕僚長が来沖/自衛隊配備予定地など視察」との見出しで、陸自トップの現地視察の様子を伝えている。

 また、米中関係で「米大統領、きょう訪中の途へ/焦点、両国関係の展開」との見出しで、ニクソン米大統領の訪中の行方を紹介している。

 

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 琉球新報デジタルは沖縄の日本復帰から50年となる2022年1月から、1972年5月15日の日本復帰に向かう沖縄の様子を日々伝える当時の琉球新報紙面を、琉球新報アーカイブから転載して紹介していきます。