宮古、まん延防止解除後に若者ら感染増…あの世の正月「十六日祭」も簡素化


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コロナ感染拡大防止のため少人数で墓前を清め、手を合わせる市民=16日午後、宮古島市平良

 新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置が7日に先行解除された宮古圏域(宮古島市と多良間村)は、解除後に新規感染者数が増加に転じた。県の発表をまとめたところ、解除前の1週間(1月31日~2月6日)の新規感染者は計91人だったが、解除後の1週間(2月7~13日)は計145人だった。15日時点の人口10万人当たりの新規感染者数(直近1週間)は208.70人で、措置解除基準(200人未満)を上回っている。

 県疫学統計.解析委員会が15日に発表した分析によると、1人から何人に感染するかを示す実効再生産数は本島が0.86だったのに対し、宮古は1.23と上回った。

 八重山も宮古と同様に増加しており、同委員会は両地域について「若者層を中心として増加に転じていることから、再流行へと移行する可能性がある」と指摘している。

 市民も再流行へ警戒を強めている。市内の目抜き通りでは解除後も休業を続ける飲食店が多い。宮古島は16日、グソー(後生=あの世)の正月に当たる「十六日(ジュウルクニツ)祭」を迎え、市内各地の墓前に家族が集まり、先祖に手を合わせる姿があった。

 例年なら県内外から里帰りした親族らと盛大に執り行うが、感染拡大防止のため多くの市民が多人数を避け家族単位で行い、短時間で済ませた。

 市平良の袖山墓地公園で先祖を迎えていた友利和誠さん(46)は「みんなで来られなくて、先祖もさみしい思いをしているかもしれないが、仕方がない。来年こそ盛大にやりたい」と話した。
 (佐野真慈、写真も)