西武・山川「4番に座り続けて優勝する」 地道な鍛錬で体作り込む<ステップアップ・県勢の球春>


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「4番として出続けて優勝する」と目標を掲げる西武の山川穂高。バットを振り体の強化に努める=日南・南郷(西武ライオンズ提供)

 パ・リーグの誇る強打者がいつにもまして本気だ。けがで本調子といかなかった2シーズンを過ごした西武の山川穂高(中部商高―富士大出)は「体との向き合い方を相当考えた。仕組みも分かってきたので、去年より調子を落とすことはない」と復調ぶりに自信を見せ、「必ず4番でスタートする」と抜かりなく準備を進める。

 1月から新たにチューブを使ったトレーニングでお尻を中心とした強化を図っている。狙いは下半身の安定感。2020年に右足首を負傷し「体重が前に流れやすくなる動きになっていた」ことから見つめ直した。お尻の内側の筋力に刺激を入れることで「軸足がぶれず前に突っ込まなくなる」。バットがいい軌道で走りやすくなる効果を期待する。

 右足首のけがに続き、昨年も太ももの肉離れの影響で1年を通して調子が上がらなかった。40本台の本塁打で2年連続でタイトルを獲得した18、19年から一転、20~21年シーズンはそれぞれ24本の本塁打にとどまり打点も落ち込んだ。

 満足のいく内容ではなかったが、体への考え方を見直すいいきっかけになった。「あまり大事にしてこなかった」というチューブのトレーニングも積極的に取り組むようになった。

 地道な鍛錬を土台にバットを振り込み、さらに強い体を作り込む。1軍キャンプは遅れての合流となったが、気合は十分。今年は「まず全て試合に出て4番に座り続けて優勝する」と目標を掲げる。

 他チームが打順に工夫を凝らすようになっても「僕としては4番が花。すごい選手が4番を打つ。チームの顔だし負けたら4番のせい。極端だけどそれだけこだわりを持って臨みたい」。自身の不振に比例するように昨年チームはリーグ最下位に沈んだ。主砲としての矜恃(きょうじ)を胸にチームをリーグトップに引っ張り上げる。
 (謝花史哲)