復帰直前の沖縄〈50年前きょうの1面〉2月18日「法人税減税など要請/銀行協会、スト回避条件に」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。  

 

 1972年2月18日の琉球新報1面トップは、「法人税減免など要請/銀行協会、スト回避の条件示す/本土政府折衝へ/税制面の措置も検討/行政府」との見出しで、復帰に伴うドル―円通貨切り替えによる賃金の1ドル=360円換算を求める労働団体と交渉する金融界の代表らが、スト回避の条件として法人税減免などを実行するよう琉球政府に要請した様子を伝えている。

 賃金通貨換算をめぐるストの関連記事では「電力公社労組も妥結/同盟スト/金融関係は続行」と報じている。さらに県労協の動きとして「来月上旬に二波/通貨即時切り替えに重点」とストが断続する見通しも伝えている。また国会内の動きとして、復帰後に沖縄の労働者の賃金についての換算レート問題で「衆院内閣委/特別融資以上の措置必要/理事懇で一致」との見出しで国としての対応を紹介している。

 

 

 

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 琉球新報デジタルは沖縄の日本復帰から50年となる2022年1月から、1972年5月15日の日本復帰に向かう沖縄の様子を日々伝える当時の琉球新報紙面を、琉球新報アーカイブから転載して紹介していきます。