2000坪私有地、84歳「完熟果樹園」 退職後に工夫重ね「年寄りの汗の流しどころ」


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若々しい動きで果樹園を手入れする新里光雄さん=7日、宜野座村惣慶のがらまん果樹園

 【宜野座】宜野座村惣慶区の新里光雄さん(84)が私有地で「がらまん果樹園」に取り組んでいる。昨年12月に84歳となった新里さんは、自身の果樹園を「趣味の範疇(はんちゅう)で、年寄りの汗の流しどころ。唯一、手間暇をかけているのはマンゴーくらい」と話すが、ナツメ、レイシ、マウンテンアップル、カニステル、グアバ、巨大なレモン、キームム(毛桃)、カエンボク、羊蹄木(ヨウテイボク)など、珍しい熱帯果樹、花木を数多く栽培する本格的な農園だ。

 惣慶区の出身だが、うるま市に在住し、天気の良い日に3~4日に1回、手入れに訪れる。県庁を退職した2000年頃から本格的に取り組んだ。84歳の年齢を感じさせないはつらつとした若々しさ、身のこなしで、傾斜状の広大な2千坪(約6600平方メートル)の敷地内を縦横無尽に闊歩(かっぽ)する。風通しを良くすることで病害虫の発生を防ぎ、植物を元気に育てるため、園の中央には歩道に沿うように防風壁が交互に配置され、芸術的な外観だ。

がらまん果樹園に実る旬のナツメ

 園内には意図的に刈り残したセンダングサの花に蜂が飛来し、自然界の「花粉交配」のサイクルも果実の生育に活用する。園で実る果実の多くは「親戚や友人に上げており、多くは鳥に食べられる。コウモリは歯が強く養生の袋ごと実を食べる」という。

 悩みの種である夜間のコウモリの「襲撃」対策として、傘の骨状に設置された木柱、鋼管パイプにステンレスワイヤを張り巡らせる大規模な工事にも取り組む。観光農園ではないが興味のある人には案内、販売もしている。問い合わせは(電話)090(5926)5398(新里)。

(池辺賢児通信員)