夫婦別姓や人権、理解深める 女性の翼、パリテカフェとコラボ講座


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琉球大法科大学院の矢野恵美教授(右端)の講演に聞き入る県女性の翼の会員ら=19日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるる

 女性リーダー育成などに取り組む一般社団法人県女性の翼(奥村啓子会長)は19日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるるで、勉強会「パリテカフェ・翼塾」の第1回講座を開いた。女性の政治参画を進めようと活動する「パリテカフェ@沖縄」が協力する初のコラボ企画として実施した。

 今回はパリテカフェ@沖縄の共同代表を務める琉球大法科大学院の矢野恵美教授が「世界のジェンダーの視点」と題し、選択的夫婦別姓、性の多様性の尊重について紹介した。

 矢野教授はSDGs(持続可能な開発目標)への理解が進む中、環境や産業に関わる分野が注目されがちだが、多くは人権に関することだとして「バッジを付けている人にジェンダー平等も知っているか聞いてほしい」と投げかけた。

 夫婦の姓に関しては、現在の民法では「夫又は妻の氏を称する」と夫婦どちらの姓(氏)でも構わないとなっているが、夫の姓を選択した人は1975年で98・8%、2015年でも96・0%。ほとんどが「女性が姓を捨てさせられている」と指摘した。そうなると「プライバシーが侵害される」「離婚後の苦痛」があるとして、同姓も別姓も選べる「選択的夫婦別姓」が認められるべきだとした。

 会員ら約30人が参加し、理解を深めた。

 奥村会長は今回の企画について「会員からの要望を受けて実現した。女性の翼の活動にもかなったもので、大きな力になるはず」と歓迎した。

 (仲村良太)