フォームの改善が目下の課題だ。入団11年目。昨季は制球が思うようにいかず「大事な場面で打たれることが多く、駄目な部分が多かった」と振り返る。ソフトバンクの嘉弥真新也(八重山農林高出)は初心に戻って春季キャンプに打ち込む。
一昨年から「右足の踏み出しが、かかとからの着地になってきた」と技術的な問題点を分析。過度に横手になっていた要因を下半身にあるとして「サイドを使い出した頃の使い方に戻そう」と、フォームをオフから見詰め直してきた。
キャンプに入り、年間通して戦えるようウエートトレーニングとランニングで体力強化を図りつつ、投球も「いい感じできている。7割くらい、いい調子でできている。コントロールの精度を上げていきたい」と修正への手応えをつかんでいるという。
国内フリーエージェント(FA)権を行使せず、昨年12月に新たに2年契約を結んだ。サイドスローに変更して、2017年に防御率2・76でブレークしてから、18年2・45、19年2・61、20年2・10と抜群の防御力を誇ってきた。
しかし昨季は思うような投球ができずに苦しみ、防御率は4・71と精彩を欠いた。チームには左の中継ぎエースとして成長させてもらっただけに「ふがいなかった」と自戒する。
それでも昨年10月、楽天戦で史上40人目となる通算100ホールドを達成した。課題はあったが、58試合に登板。要所で力を発揮し、5年連続の二桁ホールドを記録した。チームの信頼は厚い。
ソフトバンク残留を選択して迎える次のシーズン。「去年はBクラスに終わった。今年は監督も替わった。リーグ優勝して日本一になって藤本監督を胴上げできるよう頑張りたい」。最優秀中継ぎのタイトル獲得にも意欲を燃やし、巻き返しを誓う。
(謝花史哲)