首里男子が58年ぶりV 女子は西原が制す KBC杯高校バレー


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首里―西原 第3セット、スパイクを決める首里の知花太希=21日、那覇市民体育館(大城直也撮影)

 バレーボールのKBC学園杯第70回全沖縄高校冬季選手権大会最終日は21日、那覇市民体育館で決勝リーグの残りの試合が行われ、男子は首里が2―1で西原との接戦を制して3戦全勝し、58年ぶり2度目の栄冠をつかみ取った。女子は西原が最終戦で首里に2―0でストレート勝ちし、2勝1敗で並んだ首里と小禄をセット率で上回り、4年ぶり8度目の優勝を飾った。男子は西原が2勝1敗で準優勝、3位前原、4位美里工だった。女子は小禄が準優勝で3位首里、4位前原となった。毎年上位4チームを派遣する九州大会は中止が決まっている。

◆首里 一進一退 第3セット競り勝つ

 タイミングはどんぴしゃだった。勝負が決まる第3セット、我慢を続けて先にマッチポイントにたどり着いた首里は、西原の安谷屋光葉主将に的を絞った。狙い通りのオープン攻撃。2枚ブロックの上原和統が強打を捉え、勝利をつかむ得点を挙げた。58年ぶりの栄冠。知花太希ゲームキャプテンは「歴史を変えられてすごくうれしい」とコート上で拳を握り、仲間たちと喜びを爆発させた。

 1セット目から互いに一歩も引かず一進一退の攻防が続いた。セットを取り合い、3セット目も競り合って迎えた中盤。ここで流れを変えるプレーが続く。伊波寛晃が2連続でブロックポイントを挙げ、コンビバレーが伝統の西原のお株を奪う上原の速攻も決まる。後衛に回った左腕エースの1年、﨑山翔生がジャンプサーブで守備を崩して好機をつくり、流れをつかんで畳み掛けた。

 1セット目を先取され、知花は「やるしかないとスイッチを入れた」。気持ちをうまく切り替えられたことも大きかった。ジュースにもつれ込んだ2セット目を粘り勝ち、最終セットにつないだ。

 2年生は中学時代は目立つ方ではなかったが、一つ上の先輩に憧れて入学し力を付けた。優勝が遠かったチームを、昨年の春高バレー県予選で準優勝まで引き上げた先輩たちからたすきを受け取った。知花は「九州4強、全国8強が目標。浜川(直洋)監督を全国に連れて行きたい」とさらなる飛躍を誓った。
 (謝花史哲)

◆西原 伸び伸びプレーで力発揮

 小禄と首里が先に2勝し、1勝1敗で後のない西原。「笑顔でやっていこう」(安里姫香主将)。小禄戦で敗れてもチームはすぐに前を向き、最終の首里戦で思い切った強打を次々と決める。セット率で2チームを上回るストレート勝ちを収め、地力で優勝を引き寄せた。

 小禄戦はサーブカットで崩れ、連続失点をして空回りした。プレーが小さくなり何もできないままストレート負け。県内大会は一つのセットも落とさず勝ち続ける目標だった。それでも優勝の可能性は残っていた。小禄戦で失敗した試合の入り方を確認し、高さのある首里のブロックに「しっかりフォローに入って行こう」と臨んだ。

 エースの小波津友愛は「ブロックされても仲間がカバーしてくれる」と、クロスを狙って高い壁に正面からぶつかった。気後れしない強打が奏功し、ブロックをはじいてポイントを重ねた。積極的な攻撃は他のメンバーにも好影響を与え、伸び伸びとしたプレーで先行し続けた。調子を落としていたセッター前田美緒も最後のトスは乱れがなく、小波津の得点をアシストした。

 新人大会に続いて優勝し、安里主将は「平安杯、総体、春高まで五冠を目指して頑張りたい」と完全制覇へ意欲を燃やした。 (謝花史哲)