家計の見える化、コロナ禍で見直した生活 吉田健一(那覇・南部班)


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written by 吉田健一(那覇・南部班)

 新型コロナウイルスは、生活習慣を見直すきっかけとなった。まず、好きなお酒をほとんど飲まなくなった。感染予防の観点から取材先との懇談はもちろん、友人との模合、同僚とのアフターファイブ、生活防衛のため自宅での晩酌も今では数える程度だ。

 先行きの不安から家計簿も付け始めた。数年分の給与明細や源泉徴収票を引っ張りだし、月ごとの収支やこれまでに納めてきた税金、社会保険料をグラフ化し、無駄な出費がないか徹底的に調べた。同時に保険の見直しに格安スマホへの移行、ふるさと納税、積み立てNISAなど、考えついたのは全て手を付けた。

 家計の見える化により、生活費を圧縮し、一定の安心感は得ることができたが、根本的な不安は解消しないままだ。バブル崩壊後の「失われた30年」によって日本人の給与は上がらない。その日本の中でも沖縄はさらに給与水準が低く、全国ワーストだ。コロナ禍はそんな沖縄を直撃した。取材では、仕事をなくし、ご飯も満足に食べられない家庭を見聞きする機会が増え、暗い気持ちになることも多い。

 同時に善意に触れる機会も増えた。先日、西原中の生徒が学校イベントで得た収益を社会福祉協議会に寄付する場面に立ち会った。子どもたちを頼もしく思うと同時に、われわれ大人も頑張らないといけないと強く感じた。

(浦添市、西原町担当)


ゆんたくあっちゃー 県内各地を駆け回る地方記者。取材を通して日々感じることや裏話などを紹介する。