ももココロさん、児童にエール「未来に向かって挑戦を」 今帰仁小で特別授業


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ユーモアを交えて漫画家になる夢をかなえた話をする、ももココロさん=16日、今帰仁小体育館

 【今帰仁】今帰仁小学校で16日、琉球新報に4こま漫画「がじゅまるファミリー」を連載中のウチナー漫画家ももココロさんを招き、5年生38人を対象にした特別授業が行われた。将来の夢だった漫画家にどうやってなれたのか、なぜその道を歩んだのか、児童は興味津々に聞き入った。

 小学5年の頃に漫画好きになったももさんは、中学で初めて描いた4こまで図書館の教諭が喜んでくれたことをきっかけに漫画家を夢見た。

 だが、高校の美術部で、絵が上手なたくさんの仲間がいることでいったんは挫折。卒業後は添乗員などとして働いたが、35歳を目前に無職になった。仕事が見つからず途方に暮れていた時に、近所で草刈りをしていた85歳のおばあさんに相談すると「まだ私の歳になるまで50年あるさ。若いから仕事探さないで好きなことをしたらいいさ」と背中を押された。

 帰宅後、押し入れから昔描いた自分の絵を見て「もう一度漫画を描いてみよう」と奮起した。4こま漫画を琉球新報社に送ると「新年から連載してみませんか」と言われ、「膝がガクガクした」と笑いを誘った。

 今ではネタなどが書かれたアイデアノートが130冊以上になった。その一部を見た児童らは驚いた様子だった。

 ももさんは「私は好きなことで花を咲かせることができたが、偶然や誰かとの出会いで、将来の夢は増えるはず。今を精いっぱい頑張り、目の前のことにしっかり向き合い、未来に向かってどんどん挑戦してほしい」とエールを送った。

 今帰仁小へは偶然にも12年前の同じ2月16日以来、2回目の訪問だった。絵本が贈られ、手にした児童らは笑顔で見入っていた。
 (新城孝博通信員)