金秀、クラフトビール参入 那覇本社に醸造所、来月発売


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醸造設備を背にカネヒデ・クラフト・ブルワリーの始動を喜ぶ呉屋守将会長(右)と仲程学氏 =22日、那覇市旭町の金秀ビル西館

 金秀ホールディングス(HD、呉屋守将会長)が、新たにクラフトビール事業に参入する。3月中旬には那覇市旭町の金秀ビル西館1階に、ビアパブ「カネヒデ・クラフト・ブルワリー」を開業。出来たてのビールを提供するほか、ボトル詰めによるテークアウト販売を開始する。将来的には、グループ内で運営するホテルやゴルフ場などの各施設とタウンプラザかねひでの一部店舗、飲食店などへの出荷販売も検討する。

年14キロリットル、県産素材も

 金秀HDは、これまで培ってきたモノづくりへのこだわりを新しい形で表現できないかと考え、クラフトビール事業に乗り出した。元社員の仲程学氏を醸造責任者に携え、2021年からうるま市の県工業技術センターで試験醸造を重ねてきた。1日に酒類製造免許を取得し、14日からブルワリーの醸造設備で本格的にビール製造を始めている。

 年間生産量は14キロリットル、初年度の売り上げは1400万円を目指す。商品はペールエール、IPA、ヴァイチェン、スタウト、ピルスナーなど5、6種類の展開を想定するが、県産素材を使ったものや、季節限定商品の開発にも積極的に取り組む。330ミリリットルグラス(瓶)が750円、3種飲み比べは1350円。テークアウトは約950ミリリットルを2千円で販売する。

 金秀HDは22日、ブルワリーで関係者向けの試飲会を開いた。呉屋会長は「人と人、人と情報が交わる那覇市の中心部でビール造りに挑む。県民だけでなく観光客にも喜んでもらえる場所にしたい」と期待を寄せた。

 仲程氏は、長命草やピパーチなどを使った商品開発への意欲を示した上で「かねひでカラーを出しつつ、県内のクラフトビール業界全体を盛り上げていければうれしい」と語った。

 (当銘千絵、写真も)