県高校クロスカントリーリレー 男子は北山、女子は合同チームが優勝


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最終区でトップの宜野湾の走者を追い抜き、首位でゴールインする北山の金武凌世=23日、県総合運動公園補助競技場(喜瀬守昭撮影)

 県高校新人駅伝大会の代替大会となるクロスカントリーリレー大会が23日、沖縄市の県総合運動公園補助競技場と公園内園路コース(男女とも5区間、21.0975キロ)で行われた。男子は北山(前原颯斗、大城琉生、名嘉眞亜蓮、平良琉空、金武凌世)が1時間5分46秒で優勝した。女子は沖縄カトリック・コザ・宜野湾の合同チーム(金城怜海、金城野風、モリソン・ティア菫、奥間凛香、淺野愛菜)が1時間25分13秒で頂点に立った。1月28日に開催予定だった新人駅伝大会はコロナ禍で中止が決定。その後、関係者らが代替大会を模索し、クロスカントリー形式での開催にこぎ着けた。各タイムは参考記録となる。

<北山>アンカー金武 気力で逆転

 2位を走り続けていた北山が最終5区の最終盤で大逆転勝利を収めた。トップと11秒差でたすきを受け取ったアンカーの金武凌世(2年)は気力を奮い起こし、ゴールまで残り300メートルで会心のラストスパートを見せた。一気にトップを奪っての優勝に「みんながいたので頑張れた」と喜びに浸った。

 レースは序盤から激しい争い。エース区間1区は4チームが終始、一歩も譲らなかった。団子状態で突入した2区で宜野湾と北山が抜け出した。その後は宜野湾が徐々に北山との差を広げる。北山は懸命に追い掛け、勝負は金武に託された。なかなか差は縮まらず、最後の周回に入り「ほとんど無理かと思った」という。

 ここで、全国で県記録を塗り替えてきた北山の意地が湧き上がる。「1年にも示しが付かない」と力を振り絞り、昨年の県新人大会800メートルで1位を取った走力を発揮した。

 新チームで好スタートを切った名嘉眞亜蓮主将は「最低限の走りはできた。優勝できて良かった。個人としては足を引っ張ったけど、これからチームをまとめ、先輩を超えられるよう頑張りたい」。3年生が打ち立てた歴代最高の全国27位以上を目指し、チームの強化を誓った。 (謝花史哲)

金城、残り2キロで飛び出す 1区で流れ、合同の優勝つなぐ

合同チームで参加した沖縄カトリック2区の金城野風(右)にたすきを渡す1区の金城怜海(喜瀬守昭撮影)

 女子1区(6キロ)で先頭にぴたりと付け出方をうかがっていた合同チームの金城怜海(沖縄カトリック1年)は、残り2キロ付近で「思ったよりペースは速くない」と勝負に出た。一気に前に駆け上がりトップでたすきをつなぐと、チームはそのまま順位を維持してゴールした。メンバーらは「優勝できて良かった」「楽しかった」と声を弾ませた。

 金城が6キロ区間を任されるのは初めてで「ペースが分からない」と不安も大きかった。昨年11月の県大会以降、ペースメーカーに引っ張ってもらう練習を重ねたことで「課題だった中だるみを克服できた」。今回のレースで自らの成長を確認でき、区間賞にも輝いた。

 妹からたすきを受け取った2区の金城野風(同2年)も区間賞となる快走を続けた。急造チームだったが「個人の力はあると思っていた」と優勝を喜んだ。

 4区の奥間凛香(宜野湾1年)も経験を積み「やっていけそう」と意欲を高めた様子。アンカーを務めた淺野愛菜(コザ2年)は「走る機会をもらって感謝しながらゴールを目指した。次は別々のチームとして競い合えたらと思う」と笑った。 (謝花史哲)

選手たちの励みに 専門部が尽力、代替大会開催

関係者の努力で開催された県高校新人駅伝大会の代替大会となるクロスカントリーリレー大会

 一度は中止が決まった駅伝大会が専門部の働き掛けで開催につながった。コース設定に関わった那覇西の與那嶺芳和教諭は「こういう形でもできて良かった。選手たちはこれを励みに次につなげてくれたらと思う」と期待した。

 中止決定で公道使用が難しくなる中、新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置解除も見据え、専門部は県総合運動公園内での開催を視野に準備を続けた。中学大会開催の実績なども踏まえ、県や高体連にも掛け合って実現した。

 男子の北山と最後まで競り合い、惜しくも2位に終わった宜野湾の花城欄斗主将は「開催してくれたことに喜びと感謝でいっぱい。今回は悔しい思いをしたけど、大会がなければ実力を知ることもなかった。今のメンバーで戦えることは分かった。少しずつ積み上げていきたい」と新たな決意で飛躍を誓った。
 (謝花史哲)