西武の與座海人「一軍定着と先発目指す」緩急の鋭さを追求<ステップアップ・県勢の球春>


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直球の強化を図り先発ローテーション入りを狙う西武の與座海人=日南・南郷(西武ライオンズ提供)

 「1軍定着、先発を目指す」。西武の與座海人(沖縄尚学高―岐阜経済大出)が確固たる決意で5年目のシーズンに挑む。磨きを掛けるのは「真っすぐの強さ」。持ち味である緩急にさらなる鋭さを求め、投球術の強化に力を入れる。元西武の牧田和久(楽天)の系譜を継ぐサブマリンが開幕ローテーション入りへ名乗りを上げる。

 「打者3巡目で捉えられる部分があった」。課題は明確だ。緩急を効かせ、手玉に取る投球も2巡目までで「相手も目が慣れて打たれてしまう」と振り返る。春キャンプは、これを乗り越えようと、強い直球をさらに打ちづらくするフォームの改良や引き出しを多くすることに取り組む。

 昨季は1軍とファームを行ったり来たりし、15試合に登板。中継ぎから後半は先発も任せられた。勝ち星こそ1勝にとどまったが、防御率はほぼ同じ投球回数だった前年シーズンの5.45を上回る2.79を記録した。

 確かな成績を残せたのは、強化した直球で「打者のタイミングを崩せたことにある」と一因を挙げる。その上で「強い球を意識しすぎて体から離れた位置でリリースしていた。腕の振りはなるべく体の近くを通して出どころを見えにくくしたい」と工夫を凝らす。下から上に球に体重を乗せられるようスクワットで下半身強化も重ねる。

 さらに変化球で左打者に対して沈む球筋を研究。「アンダーは左が有利と言われる中で、変化の精度を高め、打ち取れるようにしていきたい」と投げ込みを続けている。

 今月5日には結婚を発表した。「僕だけの人生ではなくなった。一年でも長くこの世界で活躍して、いい思いをさせてあげられるようにしたい」。公私共に新たな気持ちで臨むシーズンで、大きな飛躍を遂げる。
 (謝花史哲)