元里親「子に安心な生活を」 里子引き渡しの差し止め求め、初弁論 那覇地裁


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取材に応じる(左から)小橋川学さん、久美子さん夫妻ら=25日、那覇市

 生後2カ月から養育している児童(5)の里親委託を児童相談所が一方的に解除するのは、児童の心の平穏や健全な成長を無視した不当な対応だとして、里親だった那覇市の小橋川学さん(56)、久美子さん(55)夫妻が県に引き渡しの差し止めを求めた訴訟の第1回口頭弁論が25日、那覇地裁で開かれた。学さんが意見陳述し「私たちは児童が精神的に安定して、安心した生活を送ることだけを考えている」と訴えた。

 夫妻は委託措置解除が決まった後の昨年12月28日に委託措置解除の差し止めを求め提訴したが、那覇地裁はその日に訴えを却下。夫妻側は翌29日、児童の引き渡しの差し止めを求めて提訴した。児童は1月4日、夫妻から児相側に引き渡され、夫妻は5日付で里親委託を解除されている。

 県側は「児童は既に児相側に引き渡されており訴えの利益がない」などとして却下を求めた。