FC琉球、ホーム開幕飾れず…停滞ムード打破するチーム今季初得点も


社会
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 サッカー明治安田J2の第2節第1日の26日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでジェフユナイテッド千葉とホーム開幕戦を行い、1―2で敗れた。通算成績は1分け1敗。前半25分に先制点を奪われた。後半も守備を崩され先に点を取られたが、20分にコーナーキックの好機から中野克哉が蹴り込んで1点を返した。千葉所属で県出身の田口泰士、昨季まで琉球でプレーした風間宏矢は出場しなかった。試合終了後に県出身の赤嶺真吾さんの引退セレモニーが行われ、サポーターらから感謝の拍手が送られた。次戦は3月5日午後4時から同スタジアムで、いわてグルージャー盛岡と対戦する。
 

(1)タピスタ
千葉 1勝1敗(3)
 2―1(1―0,1―1)
琉球 1分け1敗(1)
▽得点者 【千】 新井一(1)サウダーニャ(1)【琉】 中野(1)
▽観客 2234人

 【評】琉球は2点を奪われたが中野克哉の得点で息を吹き返し、最終盤まで相手ゴールに迫った。縦パスへの意識は感じられるものの、がっちりマークを受けた状態で繰り出す場面が目立った。揺さぶりを入れる横パスとのバランス感が求められ、単調さからの脱却が課題となった。


中野 チーム今季初得点 光る足元の技術、停滞ムード打破
 

FC琉球―千葉 後半、ゴールに迫る琉球の中野克哉(右)=26日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(又吉康秀撮影)

 前後半に1点ずつを奪われ、チームに停滞ムードが漂った。嫌な雰囲気を打ち破ったのは中野克哉。20分にチーム今季初得点をたたき込んだ。

 右からのコーナーキックで奥位置の下がり気味に陣取りノーマークだった。競り合いではじかれたボールがうまく目の前へ。すぐに守備陣からプレスを受けたが、足元の技術が光った。胸トラップから左足で切り返し、右足で精度の高いシュートをゴール隅へ流し込んだ。

 最終盤には清武功暉の右コーナーキックから沼田圭悟が頭で合わせ、クロスバーに当てるなど迫ったが同点に持ち込めなかった。

 守備では課題も。前半、セットプレーでちょっとしたマークミスから失点。後半の2点目はパス1本から個人技で3人が抜かれ守備を完全に崩された。

 後半投入された上里一将、阿部拓馬は独特のリズムではっきりとリズムの変化をもたらした。上里は相変わらずの視野の広さと正確なパスを繰り出し、阿部は奇想天外なプレーでボールに絡んだ。

 喜名哲裕監督の目指す「融合」でチームがどう化学反応を起こし、どう結果を残していけるか。チーム成長の糸口をつかむためにも次週ホーム戦で結果が求められる。

 (大城三太)


勝ち点3取りたかった

 喜名哲裕監督(琉球)の話 勝ち点3を取りたかった。セットプレーでの失点が試合を難しくした。後半に清武功暉、中野克哉を交代で入れたのは前で変化を付け、起点をつくりたかったから。上里一将、阿部拓馬を入れてリズムの変化ができ、より縦へボールが入るようになった。
 

サウダーニャが勝因

 尹晶煥監督(千葉)の話 前半に運よくセットプレーで1点入ったのがよかった。サウダーニャの個人技で後半に追加点を取れたことが勝因。最後まで声掛けしながらできた。集中できた試合だったが、修正する所はいっぱいある。ホーム戦に向けて準備したい。