リチャード試行錯誤 打率向上、本塁打量産へ


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開幕1軍スタートに向け打撃力を鍛えるソフトバンクのリチャード(福岡ソフトバンクのインスタグラムより)

 昨季、大砲候補へと名乗りを上げたプロ5年目、ソフトバンクのリチャード(22)=沖縄尚学出=の調子がなかなか上向かない。26日のオリックスとのオープン戦で1安打2打点。九回に左翼方向への特大の当たりが適時打となったが「結構いい感触でホームランと思ったが、風に戻された」と残念がる。27日のプロアマ交流戦では4打数無安打に終わった。

 「キャンプでいろいろと試しながらやっているが調子が良くない。アピールしたいが、なかなかうまくいかない」と現状を憂う。

 藤本博史監督からの期待に対し「育ててもらった恩を返したいという気持ちもあるが、空回りしている。早くきっかけをつかみたい」と焦りを吐露する。「今はもがいていて苦しい時期。ボールの見え方、捉えるタイミングがつかめていない」と選球眼について課題を挙げた。

 昨季は34試合に出場し、7本塁打。終盤には三塁での先発も増えた。ただ納得はできておらず「頑張ったが、もっと打てた。打率があまりにも低かった」と総括する。「もっと打率を上げていきたい。たくさん試合に出て、ホームランも多く打ちたい」と貢献への思いは強い。

 チームには高校の先輩の東浜巨がいる。昨年12月にも北谷での少年野球教室に一緒に参加するなどチームをアピール。「東浜さんが同じチームにいることで自分自身も頑張れる。いいモチベーションになっている」と先輩の存在は大きい。

 体のケアを兼ねて、湯船に漬かることが息抜きだと言い「好きな動画を見ながらリラックスしている」とめりはりをつけている。もがきながらではあるが、開幕に向けて「昨季よりも多い8本塁打は最低限でも打ちたい。常に打ちにいく姿勢を見せたい」と自らを鼓舞した。
 (大城三太)