水際対策緩和、「片道半月」の沖縄が再び1日圏内に あす降り立ちます<台湾最強!彭國豪の沖縄発見>7


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昨年11月に沖縄で新型コロナウイルスのワクチン接種をした時の彭國豪さん=那覇市

 台湾から沖縄までは空路で2時間程度。しかしコロナ流行以降、片道でも半月はかかるようになった。

 「新規入国」の外国人と異なり、私のように在留資格を持つ外国人には、出入国の規制がない。ただ、日本人同様、日本入国前72時間以内のPCR検査の陰性証明や日本国内での隔離施設の確保が必要だ。到着してからも検査を経て、公共機関を使わない隔離施設までの移動と約2週間の自主隔離とさまざまな関門がある。

 沖縄にある会社の経営、そしてなによりファミリーに沖縄の最新情報を伝えるため、私は年に4回、台湾と沖縄を行き来している。東京から入国しても沖縄の地を踏めるのはその半月後。台湾に戻るときも台湾での隔離が2週間だ。こんな調子で昨年は、実に4カ月を隔離ホテルで過ごした。

 これらの費用は原則自己負担となる。「出入国ができない」のではなく、これだけの期間仕事や家庭から離れ、多額の経済的負担に耐えられる人が少ないのだ。移動は感染のリスクも伴うが、台湾はワクチン接種の開始が遅れた。そのため、私は昨年6月ワクチン接種のためロサンゼルスまで飛び、その後の2回を沖縄で受けている。

 岸田文雄首相は先月、3月から「感染が落ち着いている国からの3回目のワクチン接種を受けた入国者は、待機日数をゼロとする」と発表した。台湾はまさにその地域に当たる。

 私は明朝台北を立ち福岡を経由して、午後には沖縄に到着する予定だ。遠かった沖縄がまた一日圏内に戻る。明日は私にとって生涯忘れられない日になるだろう。

 (口述・沖縄彭大家族・彭國豪、翻訳と構成・渡邉ゆきこ、毎月第1・3火曜日掲載)