激戦地土砂巡るハンストから1年…「遺骨保護の条例必要」ガマフヤー具志堅さんに聞く


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湯本多美子さんから届いた手紙を読む具志堅隆松さん=2月28日、那覇市

 辺野古新基地建設で本島南部からの土砂採取を巡り、遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表らの呼び掛けに応じ、遺骨などを含む土砂を使用しないよう求める意見書を可決するなどした地方議会は全国の1割を超える207議会(2月28日時点)に上る。具志堅さんに活動の意義や課題を聞いた。

 ―世論に広がっている。

 「これは沖縄だけではなく明らかに全国の声だ。遺族会や全国知事会にも呼び掛けたい。防衛省は土砂採取の計画を断念するよう、政府与党内からも声が出てほしい」

 ―市民団体が提案する条例制定の必要性は。

 「戦没者の遺骨を守るため必要だと思う。本島南部の未開発の緑地帯には未収骨の遺骨がある。これは沖縄だけの特殊事情だ。『戦没者遺骨保護法』のような立法がすぐに難しいのであれば、県の条例を先行して制定することが必要だろう」

 ―戦没者遺骨収集推進法では不十分か。

 「本来なら、遺骨が見つかれば周囲も含めて相当な調査を行わなければならないはずだ。しかし、この法律は遺骨が見つかった場合の調査や範囲を広げて遺骨収集することなどを定めていない。このため県も開発に制限をかけてまで遺骨収集する権限はないとの立場だ」
 (聞き手 中村万里子)