「普通の生活できない」F35Aステルス訓練、嘉手納で連日100デシベル 長期懸念も


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嘉手納基地で訓練を行う、米アラスカ州イールソン空軍基地所属のF35Aステルス戦闘機=1日、米軍嘉手納基地

 【嘉手納】米アラスカ州イールソン空軍基地から飛来したF35Aステルス戦闘機が米軍嘉手納基地で訓練を開始して、3日で1週間が経過した。嘉手納町では連日、100デシベル前後の騒音が発生する。

 所属機の通常訓練に加えて早朝から鳴り響く外来機の爆音に、住民は「普通の生活ができない」と悲鳴を上げる。

 同機は2月19、21日に計12機が飛来した。米空軍は23日に、同機の嘉手納基地での展開を発表している。嘉手納基地では2017年10月から約半年、米ユタ州のヒル空軍基地のF35A12機が暫定配備された。嘉手納町の調べによると、2月25日にF35Aが滑走路上を低高度で通過する「ローアプローチ」をした際に町内の全測定局で90デシベル以上を記録した。3月1日に町基地対策協議会が道の駅かでなで行った調査では同機が北側滑走路を離陸した際に103.6デシベルを記録した。100デシベルは「電車が通る時のガード下」に相当し会話がほとんど不可能とされる。

 普段は100デシベルを超えることが少ない同町兼久地域でも、100デシベルを超える騒音が確認されたという。町担当者は「常駐機と違い、外来機は飛行経路を逸脱する場合があるためか、普段よりも騒音が増しているのではないか」と分析する。

 アラスカ州イールソン空軍基地は、本紙の取材に「(F35Aの)滞在期間は回答できない」としている。同機の運用に必要とされる整備工具などが入ったコンテナが複数個、嘉手納基地に運び込まれたことから、長期的な滞在になるという見方もあり、さらなる騒音激化が懸念されている。
 (石井恵理菜)