中日からソフトバンクへ 又吉、1軍定着へ準備 新チームで連携確認急務<ステップアップ・県勢の球春>


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ブルペンで投げ込むソフトバンクの又吉克樹。気持ちを新たに新チームへの貢献を誓う(福岡ソフトバンクホークスのインスタグラムより)

 中日からソフトバンクに移籍し、新たな一歩を踏み出したプロ9年目の又吉克樹(西原高―環太平洋大出)。新鮮な気持ちを胸に、開幕を見据えじっくりと準備を進めている。

 新型コロナウイルスの感染でキャンプは出遅れたものの、2月19日に主力のA組に合流して早速ブルペン入りした。正捕手の甲斐を座らせて投げ込み、小まめに意思疎通を図った。「いい状態で仕上がってきている。ユニホーム姿も違和感がなくなった」とシーズン開幕を待ちわびる。

 新チームでは連係の確認が急務のよう。守備の動き方や捕手の配球、戦術など「ゼロからのスタート」という。自身のプレーを知ってもらうことと、チームの流れや動きを覚えることを重視して、練習に汗を流してきた。コミュニケーションは「頻繁に取れている。(早く)チームになじみたい」と笑顔で語る。

 投球による肘の負担度を計測するなど、これまでに経験のないデータの活用法に驚きもあった。新たな学びがある一方で「ドラゴンズでやってきたことを還元することも求められていると思う」。培った経験値を惜しみなく伝えるつもりだ。

 昨季は66試合に登板し、33ホールド、防御率1・28と真価を発揮した。日々の調子に左右されない投球ができ、パ・リーグでもその姿勢を貫く。「自分のやり方を見失わないようにやるだけ」と力を込める。通算出場は400試合を数えた。けがは過去に一度だけという体の強さが安定した投球を支えた。

 リーグも変わり、1月には結婚も。「一から始まることが多い。ものすごく大切にやっていきたい」。まずは1軍の中継ぎに居続けることを目標に、屈指のタフネス右腕が節目の年へ走りだす。

(謝花史哲)