復帰直前の沖縄〈50年前きょうの1面〉3月8日「『復帰合理化』を粉砕/自衛隊配備やめよ」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。  

 

 1972年3月8日の琉球新報1面トップは、「『復帰合理化』を粉砕/3・7統一スト総括大会/自衛隊配備やめよ/すぐ360円切り替えを」との見出しで、与儀公演に1万3千人が集結した様子を写真とともに掲載している。

 関連して、そばには「全軍労ゆるがず/スト続く」と、復帰に伴う大量解雇の撤回を求めて長期ストに突入している全軍労の様子を伝えている。

 通貨切り替え問題に関連しては、即日通貨切り替えを求める20万人署名と市町村議会の決議を日本政府に要請するため上京する通貨切り替え県民協議会の行動を紹介している。

 在沖米軍の兵力については「戦闘機をA7Dに/米軍が切り替え発表」との見出しで、嘉手納基地所属のF4、F105戦闘機をA7D戦術戦闘機に切り替える米軍の方針を紹介している。

 1面下方には社告で「減ページにつきおわびします」との見出しで、琉球新報労組が「通貨闘争3・7統一スト」に参加したため通常のページ数を制作することができなかったと読者に理解を求めている。

 

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 琉球新報デジタルは沖縄の日本復帰から50年となる2022年1月から、1972年5月15日の日本復帰に向かう沖縄の様子を日々伝える当時の琉球新報紙面を、琉球新報アーカイブから転載して紹介していきます。