北大東に空自レーダー計画 移動式配備、適地調査へ 村長「連絡、説明ない」


社会
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北大東島役場

 【東京】航空自衛隊の移動式警戒管制レーダーの配備先の一つに沖縄県北大東村が浮上し、防衛省で検討されていることが7日までに分かった。防衛省と密接な関係にある国内のシンクタンクも配備先として北大東島を有力視し、「固定式のレーダー施設の整備を前に配備される」としている。関係者によると、配備適地の調査をする考えを今月中に村側へも説明するという。

 配備の可能性が指摘されている移動式レーダーは空自が運営し、外国航空機の領空侵犯や領空接近を監視している。車載も可能だ。

 2018年12月に閣議決定した中期防衛力整備計画は、「移動式警戒管制レーダーなどを運用するための基盤の太平洋側の島嶼(とうしょ)部への整備」と明記し、「隙(すき)のない情報収集・警戒監視態勢を保持する」とした。

 太平洋側で移動式レーダーの配備先となる島として、防衛省は東京都の小笠原諸島なども検討しているが、関係者によると、北大東村が自衛隊誘致の意見書を全会一致で可決したのを受け、有力な配備先として浮上した。北大東村では外国航空機や艦艇による領空、領海への懸念からレーダー施設の整備を求めている背景もある。

 移動式レーダーの配備先として浮上したことを受け、北大東村の宮城光正村長は「防衛省からまだ連絡や説明はない。配備の内容を聞いて丁寧に検討していかないと島を分断しかねない。まずは連絡を待ち、住民への説明も考えたい」と話した。(斎藤学)