【沖縄】3月8日は琉球芸能で使われる伝統打楽器「三板(さんば)の日」。普及活動に取り組んでいる沖縄三板協会(杉本信夫会長)で、県外出身者としては県内で唯一、同協会認定の三板講師として活躍するのが愛媛県出身の村上佳子さん。「こんなに気軽にちむどんどん(わくわく)させてくれる打楽器はほかにありません」と尽きぬ“三板愛”を語る。
村上さんと沖縄芸能との出合いは大学時代の竹富島観光。水牛車で島巡りをした際、ガイドの三線の音色に一瞬で魅了された。意味は全く分からなかったが初めて聞く三線なのに「震えるほど感動した」と振り返る。直後に母校の大学で沖縄民謡のコンサートがあり、手伝いをした。その時、地謡をしていた男性歌手に弟子入りを志願した。それが沖縄芸能にのめり込むきっかけになったという。
多くの歌手や関係者と知り合う中、2001年3月8日の沖縄三板協会の結成時に受け付け業務を依頼され、それが三板との出合いとなった。02年に沖縄に移住し、琉球古典音楽の師範と民謡の教師免許も取得し、技量を磨いてきた。
三板の魅力を「どんな音楽にもマッチする優れた存在感があり、世界に誇れる楽器と思う。自己流でも打ち鳴らすことでウキウキする」と語る。
三板協会の結成直後から事務局を担当する。昨年、20周年を迎えたが、コロナ禍で記念行事もできない状況が続く。
協会の山本勇理事長は「村上さんは講師としても普及活動に欠かせない存在。その情熱はもうウチナーンチュです」と期待を込める。
3年連続で「三板の日」公演は中止となったが、8日にFMとよみ(豊見城市)、FM21(浦添市)で関連特番がある。問い合わせは同協会事務局の沖縄市のキャンパスレコード(電話)098(932)3801。
(岸本健通信員)