首里杜地区、景観創出・保全を柱に 沖縄県が今月中に整備計画


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 首里城周辺のまちづくりについて検討する「首里杜(すいむい)地区整備基本計画検討委員会」(池田孝之委員長)が10日、那覇市内で開かれ、県が提示した「首里杜地区整備基本計画」の最終案を了承した。景観の保全や暮らしと観光の両立など3つの方針を基に、38の具体的な取り組みを盛り込んだ。県は文言などを微調整した上で、3月末までに計画を策定する。

 基本計画の期間は2022~31年度までの10年間。正殿が完成する26年度までを前期、それ以降を後期と位置付ける。

 基本方針には(1)古都首里を感じる景観の創出(2)歴史文化資源などの保全・整備・活用(3)暮らしと観光が両立した住みやすく魅力的なまちづくり―を掲げた。

 那覇市や市議会が復元を求めている「御茶屋御殿」については、「課題解決に向け、那覇市、県、国で連携して実現可能な方策等の検討を進める」と記すにとどめた。

 池田委員長は「計画には、それぞれの機関の役割や連携する取り組みを具体的に示せた」と評価した。

 次年度以降は行政や地域団体、学術機関などで構成する「首里杜まちづくり推進協議会」(仮称)を設置し、計画の実現に向けて必要な取り組みを議論し、事業の進捗(しんちょく)などを確認する。
 (当銘千絵)