「癒えない悔しさ、今も」 福島避難者の会が糸満で法要


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地震が発生した午後2時46分に黙とうする参列者ら=11日、糸満市潮平の長谷寺

 東日本大震災から11年となる11日、沖縄県糸満市潮平の長谷寺で法要が営まれ、福島県からの避難者でつくる沖縄じゃんがら会(桜井野亜代表)の会員や関係者約30人が参列した。避難者らは「心の復興に終わりはない」「癒えない悔しさがある」など、戻ることができない故郷を思い、苦しい胸の内を語り合った。

 法要は毎年行われている。地震が発生した午後2時46分に黙とうし、犠になった人たちを追悼した。参列者は手を合わせ、涙をぬぐった。

 桜井代表は避難者らの現況について「回復の歩みは一人一人違う。住宅の悩み、孤立、生活困窮など課題も複雑化している。死別や離別、アイデンティティーの喪失など複雑な心理状態もある」と指摘。県民に対しては「私たちのような理不尽な経験をしてほしくない。わが事として防災に取り組んでほしい」と語った。 (中村万里子、写真も)