FC琉球、今季初勝利 山口に3-2 清武躍動の2アシスト


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 サッカー明治安田J2の第4節第1日の12日、FC琉球は山口県の維新みらいふスタジアムでレノファ山口FCと対戦し、3―2で今季初勝利をつかんだ。前半に先制点を奪われたが、阿部拓馬の得点で追い付いた。後半は立ち上がりに失点をしたが、その後は相手のオウンゴールで同点として、野田隆之介のゴールで逆転に成功した。通算成績は1勝2敗1分けで順位は15位。次戦は19日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで水戸ホーリーホックと対戦する。

(1)みらスタ
琉球 1勝1分け2敗(4)
 3―2(1―1,2―1)
山口 1勝2分け1敗(5)
▽得点者 【琉】 阿部(1)OG野田(1)【口】 大槻2(3)
▽観客 2694人


 今季4戦目で待望の初勝利をつかんだ。清武功暉が2アシストと躍動し、大本祐槻が攻守で存在感を発揮した。先行される展開となったがセットプレーからの得点が光った。

 相手の運動量とパスの精度が落ちた後半でも攻め手を緩めず、逆転勝利を決める3点目を野田隆之介が奪った。

 前半の同点弾は左コーナーキックからで、阿部拓馬が高い技術を見せた。キッカー清武が中央スペースへ狙いを定め低弾道のパスを出した。示し合わせるかのように走り込んだ阿部が左足で蹴り込み、チームの士気を一気に上げた。喜名哲裕監督も「彼(阿部)がいることでチームとして選択肢が増えた」とたたえた。

 後半31分、逆転ゴールを挙げたのは野田だった。清武がカウンターから中央をドリブルで前進、DF二人を引き付けると右から駆け上がってきた野田へアシストし、ゴールをお膳立てした。

 右サイドバック起用の大本は試合終盤、体を張って相手のシュートを阻止した。決められれば同点となる場面でチームを救った。

 戦術や連係の歯車が徐々にかみ合ってきたが、喜名監督が掲げる「新旧融合」に向け試行錯誤は続く。特に途中交代選手の起用と、その意図も鍵を握る。求めるのがリズムの変化、堅守、追加点のどちらなのか。戦況を見極めつつ、どのカードを切るのかが接戦での勝敗を分ける大きな要素となりそうだ。

 (大城三太)


狙っていた事できた

 喜名哲裕監督(琉球)の話 前半はセットプレーで追い付いたことで、ゆとりが生まれた。後半立ち上がりの失点はチームとして修正が必要。ボールを動かすことで相手の足が止まり、スペースも生まれた。ぶれることなくスタイルを貫き、狙っていた事ができた。