復帰直前の沖縄〈50年前きょうの1面〉3月14日「沖縄返還協定/あす批准書交換式」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。  

 

 1972年3月14日の琉球新報1面トップは、「沖縄輸送の資材は送り返す/政府・自民党、野党側の主張のむ/防衛庁幹部を処分」との見出しで、復帰跡の自衛隊配備に伴う資材輸送を制服組の独断で実施した問題について、政府・自民党側が示した運び込んだ資材の持ち帰りなどの方針を受けて国会審議が改めて動き出すことを伝えている。

 「沖縄返還協定/あす批准書交換式/懸案かかえ、簡素に」との見出しで、15日に行われる沖縄返還協定があり、正式に5月15日の返還が確定刷ることを伝えている。

 復帰をめぐる沖縄側からの懸案で大きいものとして、ドル―円通貨切り替えに伴う返還レートを1ドル=360円するかどうかという問題があるが、通産局長が1ドル=360円交換は困難だとの認識を示している記事も掲載している。関連して、大蔵大臣が「復帰前の交換は困難との印象」との見解を示したことも紹介している。

 

 

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 琉球新報デジタルは沖縄の日本復帰から50年となる2022年1月から、1972年5月15日の日本復帰に向かう沖縄の様子を日々伝える当時の琉球新報紙面を、琉球新報アーカイブから転載して紹介していきます。