「沖縄、幸せの中心に」 ウェルビーイング 那覇で議論


社会
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生きがいのある暮らし実現の可能性を語り合った「第1回沖縄ウェルビーイングカンファレンス」=13日午後、那覇市泉崎の琉球新報ホール(喜瀨守昭撮影)

 一般社団法人沖縄well―being推進協議会(安里享英代表)が主催する第1回沖縄ウェルビーイングカンファレンス「ポストSDGs10年後の沖縄の未来を考える」(琉球新報社共催)が13日、沖縄県那覇市の琉球新報ホールで開かれた。精神的、身体的、社会的に良好な状態を指す「ウェルビーイング」について、県内外の企業関係者や首長、大学教授らが登壇し、生きがいのある暮らし実現の可能性を語り合った。 

 「ウェルビーイング」は近年、政府の方針にも重要な概念として取り入れられ、行政や企業経営の現場で注目される。

 日立製作所の矢野和男フェローは、ビジネスの現場で「幸せ」は「前向き」な状態を意味し、幸せな人が多い会社は営業成績や受注率など生産性が高く、離職者も少ないとするデータを紹介。「『幸せ=楽で緩い』は誤りで、前向きな人と後ろ向きな人とでパフォーマンスに違いが出るのは何の不思議もない」と指摘した。

 幸福学を専門とする慶応大の前野隆司教授は、2014年に手掛けた「地域しあわせ風土スコア」で沖縄県が全国一だったことを取り上げた。「沖縄は人口1%だが存在感はそれ以上だ。日本の幸せの中心として、全ての生きとし生ける者が幸せな社会をリードしてほしい」と可能性に期待した。 (當山幸都)