なぜ学校に行くの?問いを深めると…小学生が哲学対話 沖縄アミ-クス


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リモートでアミークス5年生と哲学対話の内容を話す河野哲也さん(右奥)ら=2月21日、那覇市泉崎の琉球新報本社

 【うるま】新報小中学生新聞「りゅうPON!」連載中の「てつがくカフェ」を体験する哲学対話の授業が2月21日、沖縄アミークスインターナショナル(うるま市)5年生3クラス68人を対象に行われた。同連載で「コーノさん」として登場する河野哲也さん(立教大教授)と学生4人が進行役(ファシリテーター)になり、リモートで「友達がいないことはおかしい?」「人はなぜ面倒くさくなる?」など、答えが一つではない問いについてリモートで話し合った。

 河野さんと学生3人は那覇市の琉球新報本社から、学生1人は東京からビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」でアミークスの教室とつながった。河野さんは(1)人の話を聞く(2)お互いに質問をする(3)前の意見に関連付けて話す―といった哲学対話のやり方を説明し「なぜ、どういう意味、具体的に、という質問を大切にして」と話した。

 5~6人のグループに分かれて、用意した問いについて語り合った。「なぜ学校に行くのか」については「将来のため」「親が教えられないことを学ぶ」「結論として学校は必要だ」などの意見が出た。河野さんは「学校じゃなくてもいいんじゃないか」と疑問を投げ掛け「話し合いの結果を一つにまとめちゃだめ。結論付けずにずっと考えて、それぞれの考え方を進めてほしい」と呼び掛けた。

 「人間はなぜ年を取るの?」で話し合った林昊樹(りんこうき)さんは「なぜなのか全然分からなかったが、ファシリテーターが話を広げ、だんだん意見が出てきて、少し理解できるようになった。今まで深く何かを考えたり、話し合ったりすることがなかったので、また哲学対話をしたい」と話した。
 (関戸塩)