ひとり親の6割「養育費受け取っていない」 浦添市、元配偶者の不払い解消策を検討へ


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 【浦添】浦添市は市内のひとり親を対象に実施した養育費に関するアンケート結果を14日までに公表した。回答者の約6割が元配偶者から養育費を「最初から受け取っていない」と回答した。主な理由は「相手と関わりたくない」など。義務である養育費の不払いは、ひとり親世帯の困窮を招く大きな要因となっており、市は不払い問題解決に向けた施策の検討作業を始めた。

 調査は昨年10月14日から31日に市のホームページなどを通じて実施した。調査対象1823人中、321人から回答を得た。回答者の89%は母子世帯だった。

 アンケートでは、回答者の59%が元配偶者との間で養育費の取り決めを「していない」と回答した。理由は「相手と関わりたくない」が最多で、「相手に支払う意思がない」が続いた。

 自由回答の項目には「別れ話をすることが精いっぱいで養育費まで想像できなかった」「DVで離婚し身を守るのが第一優先だった」などの回答があった。行政に希望する支援策については「市が養育費を相手の代わりに立て替えて、取り立ててほしい」が最多で「相手の財産差し押さえなど手続きの方法の支援」「担当相談員によるワンストップ支援」なども寄せられた。

 調査結果について松本哲治市長は、8日の市議会で「養育費は生活の安定と子の健やかな成長のため必要不可欠な費用。養育費不払い問題は家庭の問題ではなく社会全体の問題だ。早急に具体的な支援策を固め、組織体制や事業予算の確保を進めていく」と強調した。

 養育費の不払い問題は全国的な問題となっている。先進的な取り組みとして、兵庫県明石市が昨年から養育費を立て替え、元配偶者に支払いを催促する事業を始めている。
 (吉田健一)